2011.10.12(水)更新
上信電鉄デキ3+旧客
2011.9.18(日) 上信電鉄根古屋−南高崎
PENTAX 67 II 90mmF2.8 RVP50(+1)

 デハ撮影後は上信に向かう。大昔にデキを撮影していた頃の経験では、根古屋と馬庭の鉄橋ぐらいしかめぼしいポイントがなかった記憶がある。西の空は分厚い黒い雲に覆われている。下仁田まで行くのはリスクが高い。デキ1が故障したためにデキ3の単牽きで、見苦しいウンコマークが付くとの情報もあった。やはり、狙いはサイドしかない。というわけで、馬庭の鉄橋に向かったのだった。
 現地はけっこうな人出であった。ライトな層からキ○ガイ連中まで大賑わい。そんな中でも我々の仲間たちはしっかりベストポジションをキープしていた。BOSS氏と雲発生注意報あらためどすこい氏の最強?コンビ、若手No.1の実力者ぐっちょん氏。サスガである。私もバックの白い倉庫や高圧鉄塔をかわすベストアングルを探る。誰もいない橋の欄干にゲバを張ろうとすると、横から見知らぬジジィが何か言ってきた。
「そこはちょっと・・・」
「あぁ?オメェの方にはまったく影響ねぇだろ!このボケェ!どこをどう撮ったら、オレが入るんだよ!魚眼使ってんのか?」
 心やさしい私は心の中でそう罵りながら、ちょっと離れてポジションを決めた。何やらジジィが話かけてくる。何とそのジジィ、手持ちの高級らしき?コンデジで撮るらしい。バカか、コイツは?そんなカメラじゃ、どこで撮っても一緒だろ?そう思うのは本人以外すべての人間が気づいている事実である。さらに風景写真がどうこうと講釈をタレてくる。余計なお世話もいいところである。当然、生返事で無視を決め込む。見知らぬ他人のウンチクほど苦痛なものはないし、訳のわからんこんな下手クソに関わっているとロクなことがない。私の貴重な晴れ運が落ちる。
 しかし、嫌な予感は的中してしまう。列車が見えて踏切が鳴る。その瞬間、いつの間にか忍び寄ってきたちぎれ雲が列車の動きに合わせるかのようにシンクロして、まさかのジャストミート・・・見事に全員玉砕である。クソッ!オメェみてぇのがいるから、曇るんだよ!このバカヤロウ!
 気を取り直して返しを狙う。もう撃沈は許されない。15時半、安定した日差しの下、まるで模型のような列車が静かに現れた。

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