昨年3月の富士・はやぶさ廃止以降も我々を楽しませてくれたJR九州の14系寝台車が最期の運転を迎えた。特別企画列車として長崎往復のさくらと鹿児島往復の富士が運転されることになったのである。この1年半の間、何度か団臨運転はあったものの、ヤリ過ぎ感の三重連にヘンテコマーク、アキバに幽霊などといったゲテモノには食指が伸びず、九州へ出撃する決心がつかなかった。しかし、今回はオリジナルマークで運転とのこと。これは行かずにはいられない。羽田から熊本空港へ飛び、1年半ぶりとなる九州上陸を果たしたのだった。 熊本は九州のちょうど真ん中に位置している。各県庁所在地までの距離は200km以下。高速道路も熊本のすぐ北で東西南北に伸びている。さくらを北九州から長崎へ、富士を鹿児島まで追いかけるにはちょうど都合がのよいである。 土曜の下りさくらを仕留め、長崎道木場PAでマルヨをすると翌朝も快晴の青空。今日は上りさくらを狙う。しかし、昨年と同じく昼前に長崎本線を東へ向かう難しいスジである。顔に日が当たる場所がない。どこで撮ろうか?同行の関西−D.W氏、さささ氏、千ちゃんと協議した結果、線路がほぼ東西を向く現川駅付近ならさくらが到着する10時半頃でも顔に日が当たるだろうとの結論に達した。せっかくの葉桜マークである。やはり順光で仕留めたい。午前5時前に一番乗りで現着し、時間をかけてアングルを吟味。ベストと思われる場所にゲバを張った。しばらくすると列車やレンタカーで続々と同業者が集まり、山あいの静かな無人駅は開業以来と思われる賑わいを見せていた。 10時28分、騒いでいたホームの鉄ヲタが静まり返った。緊張感が漂う。しばらくするとトンネルの奥から2灯のライトが近づいてきた。 |