2009.12.18(金)、JRグループ2010年3月改正の広報発表が行われた。我々撮り鉄の注目はただ一点、ブルトレの去就である。案の定というか、やはりというか、かねてから噂があった北陸がついに廃止になることが正式に決定したのだった。しかも、能登も道連れにして2本一緒にである。しかし、廃止になるからといって、今さらジタバタしても始まらない。この2本は撮り鉄にとって難攻不落の全国最強クラス。上野口では夏至前後の2ヶ月ほどしか太陽の下での撮影チャンスがない難敵なのである。冬至間近のこの時期に廃止が発表されても後の祭り。とっくの昔にこの2本を仕留めている私は余裕をカマしていたのだった。あとは上野駅でちょこちょこバルブでもすればいいかなぁ・・・、と。 廃止発表当日の深夜、会社の忘年会でプチ酔っ払いとなっていた私は風呂に入ってさっさと寝るつもりだった。しかし、悲しいかな、撮り鉄の性。明日の天気でも見てみるか、そんな軽い気持ちでパソコンを立ち上げてしまった。ん?・・・あれ?上越線遅延?え?大雪?遅れ具合がかなり気になるところではあるが、真夜中ではどうしようもない。とりあえず一旦寝て、翌朝に状況を確認することにする。 午前4時、遅れの状況はむしろ悪化していた。上越線は不通になっているらしい。その瞬間、眠気はフッ飛び、出撃準備開始である。6時頃になっても状況は変わらない。マジかよ、オイッ!北陸撮れんじゃね?行くしかねぇべや!スクランブル発進である。狙いはいつものアノ場所しかない!電車に乗って戦場へと向かう。 パニっていたらどうしよう?ゲバを張るポジションはあるのか?一般撮り鉄には無縁のキ○ガイ場所ではあるが、駅を出てからドキドキしながら線路沿いの道を早足で進む。跨線橋に人影が見える。ん?あれは?見覚えのあるシルエットに手を振ってみる。向こうも手を振り返してくる。やはり・・・現地にいたのは歴戦の強者BOSS氏とらるご氏。お互いキ○ガイ同士、考えることはみな同じなのである。サスガというかバカというか・・・。しかし、彼らがココにいるということは私は勝ち組である。我々の身内は勝負所を察知する嗅覚がハンパなく利くのである。そりゃあもう尋常ではないくらい。バリ晴れの勝負所でベストポジションに立っている。これこそが達人の証である。 狭い階段にゲバを張ってしばし待機する。それにしてもこんなチャンスは滅多にない。間に合いそうな仲間に電話をして出撃を促すと、通過直前に虹色サーカス団氏が合流。キ○ガイレンズを並べて京浜東北線のカブリにビビリながら列車を待つ。 11時過ぎ、列車接近を知らせる警告灯がピコピコ点滅するとバリバリの太陽光線を浴びて北陸が登場!スカートには上越国境での激闘を物語るまるでカーネル・サンダースのような白い雪。カッコええ!!幸いカブリも心配ない。引き付けてシャッターを切る。オッシャァァァー!極まった!廃止までカウントダウン3ヶ月、二度と太陽の下で撮れるとは思わなかった難敵からゴング間際に一本勝ちを納めることができたのだった。 |