日没直後、暮れゆく空には青く輝く時間帯がある。バルブ撮影をする場合、条件は単に暗ければよいと思われがちであるが、ちょっと工夫するだけで単なるパチ撮りバルブとは違った立派な写真を撮ることができる。 この日はラッセル撮影の初日。日中はネズミ色の曇り空から湿った雪が降り続き、除雪したばかりの線路をみるみるうちに覆い隠していく。翌朝のラッセル撮影にはありがたいことこの上ないのだが、さすがにバルブ撮影をするにはちょっと厳しい降り具合である。雪の中、わざわざ外に出るのはとにかく面倒である。濡れるし寒いし冷たいし、写真を撮っている場合ではない。雪は止むのか?黒石駅前の駐車場で日が暮れるのをしばし待つ。 日没時刻が近づくと雪もだいぶ小降りになってきた。雪で濡れないように車の中でカメラにレンズをセットしてカンジキ付きのゲバを担いで外に出る。しかし、空が赤い。ナトリウム灯やら蛍光灯やら市街地の照明が低く垂れ込んだ雲に反射して空が赤いのである。露出やホワイトバランスを変えて何枚か撮るものの撮影前に考えていたイメージとはずいぶん違う写真になってしまった。また来季へ課題持ち越しである・・・。 |