2011.1.4(火)更新
EF510カシオペア
2010.12.27(月) 東北本線高久
Canon EOS 7D EF300mmF2.8L IS (EF1.4 X II) ISO100
今年はコイツが主役

 寒波到来により北日本が大荒れとなった年末年始、我々撮り鉄が愛してやまないブルートレインもその影響を受け、大遅延や運休を繰り返していた。JR東日本の看板列車であるカシオペアも例外ではなく、機関車故障によるEF81代走や上野を発車したものの津軽海峡を越えることなく岩手県内で行き倒れて数日間ウヤといった悲惨な状況だった。
 この日も2時間遅延の情報が入った。同様にあけぼのもかなり遅れているらしい。私はこの日から冬休みである。さて、どっちに行こうか?悩ましいところである。あけぼのは夏場にいろいろ撮った。東北線なら北斗星も一緒に2本撮ることができる。う〜ん、どうする?というわけであまり深く考えもせず、気がついたらいつの間にか栃木−福島県境に向かって朝日が眩い東北道を北上していたのだった。
 東北道を北上中に新たな情報が入る。北斗星は定時運行らしい。ん?ということは・・・間に合わねえじゃん。悲惨である。普通に考えればカシオペアが遅れているのだから続行の北斗星も遅れているハズである。しかし、遅れはカシオペアだけらしい。これは悪天候や線路トラブルによる遅延ではない。おそらく車輌のトラブルである。しかも、カシオペアの遅れは拡大しているらしい。さらに悲惨である。何時にやって来るのかさっぱりわからない。ひたすら待つしかないのである。寒風吹きすさぶ高久駅のホーム端で一人寂しく待機する。

 定時から遅れることおよそ6時間、上り列車接近を報せる警告音が鳴った。来た。しかし、今度は下り線の警告音も鳴り始めた。まさか!?後方に赤い金太郎ガマが見えた。ここで待つこと数時間、列車のすれ違いなど1回もなかった。当たり前である。電車は1時間に1本、貨レも来る時は立て続けに来るものの来ない時はさっぱりである。こんな過疎ダイヤではカブる方が珍しい。しかし、ここでまさかの展開が起きてしまった。クソッ!もう、どうしようもない。とりあえず撮るしかない。冬とはいえ太陽は一番高い位置にあり、光線は正面がちに当たっている。下り貨レの影がかかることはないだろう。あとは貨レの通過でガタガタ揺れるカメラを押さえ込んでブレを防げばいい。コンテナの影からEF510が顔を見せた。揺れが止まった。幸運にも貨レが通り過ぎたのである。向かってくる機関車が真正面を向く直前にシャッターを切る。オッシャーーア!迎撃成功!

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