この写真を撮影する2日前のことである。未明に九州上陸を果たし、撮影地にはいつでもどこでも一番乗りを心掛けている私は、上りにちりんを狙うため、昨夏も訪れたこの踏切へやってきた。誰もいない踏切にゲバを張ってしばし車の中で待機である。 しばらくすると2人目がやってきた。プラボディの古いニコンを使っていて、見た目30代半ば、私より少し年下だろうか?どこかで見たことがあるような気がするのだが思い出せない。先着している私に一応軽く挨拶はしてきた。ここまでは及第点である。最低線として挨拶ぐらいは必要である。彼はあたりをウロウロしていたのだが、最終的に私の隣に落ち着いたようだ。まぁ、これもいいのだが、クチを開くなり、いきなりクソ生意気な関西弁でのたまって下さった。 「こんな日の高い時間の写真はダメですわ。撮っても意味ないですわ」 わざわざ早朝から待機している私の立場を全否定する発言である。だったらオマエもここに来るんじゃねえよ。最近、世の中にはこういうコミュニケーション障害のバカが多いのか?まあ、私も本命は夕方のスジで、ここは押さえ場所なので、百歩譲って許してやろう。 「いつも日の低い時間を狙ってるんですよ」 彼はおもむろにアルバムを取り出し、パラパラとめくり始めた。見て見ぬ振りをしていた私だが実はスケベ心でチラ見していたのは言うまでもない。たしかに言うように低い光線の写真が多い。被写体もいい。しかし、構図に少々難がある。特に縦アングルの写真が私なら一次選別でゴミ箱直行レベルが多い。10点満点で8点程度の腕前だろうか。私は見るに値する写真ではないと判断した。 すると、突然彼はアルバムを突き出し、見ろというそぶりを見せた。クソ生意気な態度である。普通、人にアルバムを見てもらうのに突き出したりするか?内心かなりムカついていた私だが一応やんわりとアルバムをお断りしておいた。彼は面食らったような顔をしていたが、渋々引っ込めた。しかし、これ見よがしに私の前で中を開いて確認している。見せてもらわなくてもアンタの腕はわかったよ。自分が思ってるほどウマくないんだよ、アンタは・・・。 気まずい雰囲気が流れてはまずいので、大人の私は一応聞いてみた。 「カメラは何をお使いなんですか?」 「ポジです」 バカか、テメエは!機種聞いてんのになんで回答がポジなんだよ。そして最後に致命的な一言をクソ生意気な口調で言い放ちやがった。 「さっきの写真は全部ポジですよ」 このバカ野郎、そんなことは言われんでもわかっとるわ!ダイレクトプリントの色ぐらい、オレ様がわからねぇわけがねえだろう。ナメてんのか、このドアホ!さすがの私もそこからはもう無言である。こんなクソ生意気なヤツに付き合っているほどお人好しではない。最近、この手のバカ鉄がいたるところに増殖しているような気がするのは気のせいだろうか?不愉快極まりないことである。 最後にこれだけは言っておきたい。オイ、関西弁のニィチャンよ。テメエはツ〜ンと臭せえんだよ!さっさと風呂に入れよ、このクソバカ野郎! |