私にとって初めてのモータースポーツ撮影はちょうど1年前の昨年12月、富士スピードウェイでのニスモフェスティバルである。それはそれは最初はヒドイもんだった。撮影開始から30分、マシンをまともにフレームに捕らえることができない。レーシングスピードではなく、ウォームアップ走行であるにもかかわらず、ハミ出し、ケツ切れを連発し、オレってこんなに下手クソだったの?と、悲しい時間を過ごしたのである。今になって考えると、まわりもみんな使ってるし、オレもイケんじゃね?と、画角の超狭い800mm相当でド素人が流し撮りをすること自体無謀だったのだが、当時はそこまで考える余裕はなかったのである。しかし、不思議なもんで、しばらくすると車体を画面の中央で捕らえることができるようになってきた。我々撮り鉄はフレーミングには超ウルサイ。上下左右、バランスよくマシンが収まっていないと失敗である。スカッたカットは即削除。私はノートリミングの原板至上主義者なのである。 次の課題は流しのシンクロである。こればかりはシャッターを切り続けるしか上達の道はない。ボンネットのエンブレムをひたすら見つめ、レンズを振り続ける。プレビューを最大に拡大して、ブレたカットは即削除。バリピンシャープが絶対である以上、妥協していては上達しない。 初撮影以降しばらくはゲバを使いながら試行錯誤を繰り返していたのだが、鉄では滅多に使わない一脚の使い方にも開眼し、撮り鉄の大先輩牛若丸親方とbenkei親分、らるご氏からご指導を受けた(≒あまりにもカッコいい写真を見せつけられた)結果、どこかのモータースポーツブログを見ては、なんだよ、これぐらいオレにも撮れんじゃん、と生意気をコキまくり、モータースポーツ誌を立ち読みしては、ショッパイんだよ、この写真は!と、厚かましくもプロの撮った写真に難癖をつけるまでに成長したのである。 そんな1年間を経て、また今年もNISMOフェスティバルがやってきた。日頃の行いがよい我々の願いが通じて、2日間とも文句のつけようがない快晴となった12月最初の週末、牛若丸親方、カマタ氏、らるご氏と私の関東組、関西組のbenkei親分、三男将軍のフルメンバー6人は富士スピードウェイへ向かった。それぞれ思い思いのポイントに散らばって、朝から夕方まで食事も摂らずに2日間ひたすらレンズを振り続けた結果がこれらの写真である。日産スポーツプロトタイプ4連発。'90年代に憧れだったマシンが目の前を走っている。それを最新の機材で撮影できるのである。正直、感涙モンである。シビレないワケがない。もう頭は次のレースイベントのことでいっぱいである。しかし、残念ながら、これで2010年モータースポーツシーズンもすべて終了。早くも来シーズンが待ち遠しくてたまらない。来年は撮り鉄よりも、モタスポ撮影の方が忙しいのは間違いない! |