1992年以来、20年ぶりに復活したスポーツプロトタイプマシンによるFIA世界耐久選手権。ついにその日本ラウンドが開催された。この週末といえば、鉄ヲタ業界に関わる者なら知らぬ者がいない鉄道記念日である。全国各地でさまざまなイベントが開催され、Pトップのブルトレ臨やリバイバル出羽、羽越線回りのカシオペアなど、さまざまな大ネタがあったらしい。しかし、鉄ヲタならば誰しもが出撃を検討せずにはいられないそんなイベントには一切目もくれず、決戦の舞台、富士スピードウェイに向かったのである。 この20年間にレーシングマシンのテクノロジーは格段に進歩した。当時は大排気量ターボエンジンが主流であり、時に最高速度が400km/hを超えることもあるストレートスピード重視のコンセプトだったのだが、さまざまな安全対策でコースレイアウトが改修され、ストレートが短くなったサーキットが主戦場となる現代では、フォーミュラーカーのみならず、プロトタイプマシンでさえも立ち上がり加速を重視することとなった。その結果、20年前の直線番長は、低回転で大トルクを発生するディーゼルエンジンやハイブリッド電気モーターによる加速アシストにエアロダイナミクスの粋を結集したボディワークで武装して、スプリントでの速さと24時間を走り切る耐久性を両立した化け物マシンに変貌したのだった。 今回、私もそんな化け物と対峙するために決戦兵器を投入した。EOS-1D X。現時点で最強最速を誇るモンスターマシンである。いずれ使用感はレビューするつもりであるが、クソ忌々しい価格.comや2ちゃんのニコ爺どもを絶望の淵に叩き落したその性能には目をみはるものがあった。クロスセンサーをふんだんに配置し、中央5点はデュアルクロス。構図の縦横に関わらず、瞬時に合焦するそのAF性能は凄まじいものがある。 本イベントは来年も同時期にこの富士スピードウェイで開催されることが発表されているのだが、ビッグな鉄ネタとだけは被らないことを願いたい。一応、私だって、まだまだ電車のことを忘れたわけではないのだから。 |