レースシーズンが終了したこの時期、各自動車メーカー主催のモータースポーツフェスティバルが開催される。シーズン中は当然各カテゴリーの最新マシンしか走ることはないのだが、これらのイベントではモータースポーツ黎明期の伝説の名車から近年の車まで、様々なマシンがピカピカにレストアされて往年の走りを披露してくれる。鉄でいうところのリバイバルネタである。 11月最後の日曜日、トヨタのモータースポーツフェスティバルが富士スピードウェイで開催された。私は筋金入りの日産好きである。家族も含めて日産車にしか乗らないのだが、レースの世界でも憎きライバルであるトヨタにも気になるマシンはある。トヨタTS010。それまで大排気量ターボエンジンが主流だった耐久レース用のプロトタイプマシンにおいて、レギュレーション変更により新世代の3.5リットルNAエンジンへの移行期間となった1991年末に、翌年からの完全移行を睨んで実戦デビューしたマシンである。結果的にTS010は1992、1993年のルマン24時間耐久レースでプジョーに惨敗するのだが、国産初の3.5リットルNAマシンとして注目を浴びたのである。 コイツを仕留めるべく、好天予報とは裏腹にスッキリ晴れない富士スピードウェイへ牛若丸親方、らるご氏とともに出撃してきた。私にとって今回のターゲットはTS010のみである。コイツさえキッチリ仕留められれば、あとはどうでもいい。定番プリウスコーナーに陣取り、流しの振りをシンクロさせるべく、朝から練習を続ける。午前11時、リバイバルネタの走行時間である。チャンスは多くて5周程度だろう。1周目、流しは極まったが、構図がイマイチ気に入らない。2周目、ケツ切れ失敗である。3周目、手応えはあった。即、プレビューを見る。構図はとりあえずOK。最大まで拡大する。ライトケースのビスまでバリピンシャープである。ふぅ〜、極まった。4周目は・・・なかった。来なかったのである。その代わり、吊り下げノーズの不細工なF1マシンがやってきた。こんなモノはどうでもええ。 次?今週末だよ、今週末。ニスモフェスティバルに出撃してくるのである。オレさま好みのマシンたちをビシッと仕留めに行ってくるんだよ! |